SUNHALL STAFFの日記

ブッキングマネージャー ニシカワ大いに語る。
「ハイ、サンホールデス」

こだわりま専科

〜ブルーベリーに首ったけ後編〜

(前回までのあらすじ)滲んだ人生に別れを告げるべく、眼鏡屋を彷徨うニシカワに現れた店員…。彼は天使か?それとも…?ニューイヤー拡大バージョンでお届けするッ!!

雨の中訪れたこの眼鏡屋では、なかなかに個性的なブツが陳列されていてなかなかにまばゆい光を放っております。人には【好み】という摩訶不思議な感覚があります。しかも、細かく、且つ決定的であります。豆腐は好きだけど絹こしじゃなきゃイヤ・ブドウは好きだけど干しブドウはイヤ…まさに十人十色。
ワタクシ、眼鏡をかける前から“かけるならこんな眼鏡”像がありまして、自分の好みに忠実に従って物色しておりました。1人では判断しかねる為、彼女にもついて来てもらい、あれはどうこれはどうを繰り返しておったところ、この店員さんは「お客様でしたらー、そうですねぇこういったものなんかとてもお似合いかと…」そういって出してくれたのは【好み】からは3光年くらい離れたモノでした。「いやぁ〜、これ、でもちょっとインテリっぽくないです?」と言いつつかけてみて鏡を見ると「ありゃ!似合ってるわ〜!!」満足そうな店員さん。
プロの意見は聞くもんだとしみじみ思いました。即決はせず家に帰りましたが、その夜以降なかなか寝付けず、メガネメガネとうなされていました。次の休みの日 (つまり更に1週間後)Y君が言っていた梅田の店へ行きますと、陳列されてある品物の個性レベルが格段に上がっており、入るなりソワソワしてしまいました。
「メェガネ、お探しですか?」何となくイントネーションが上流っぽい女性中年店員さんのフンワリした雰囲気からは“メェガネは、いいモノじゃなきゃダメざます”という無言のメッセージが毎秒1300ガウス放出されており、この店の印象を決定付けていました。
そしてその中でも超ソワソワした物が2つあり「こちらのメェガネはねぇ、日本製の○○というモデルで云々…でございますの♪」「それでこちらはァ、ドイツ製の××でこれこれこういった云々…でございますの♪お客様はどちらのメェガネも似合ってらっしゃるからお好きなほうを選ばれたらよろしいんじゃないでしょうかァ?」でもその視線とはうらはらに高級な方をなんとなく推してくるあたりが従業員魂。そこから30分以上どっちにしたものかあーだこーだかけ比べてみましたが優劣がつかず。体力と集中力を著しく消耗したワタクシは軽い休憩の後でまたもや彼女を呼び出し、またかけ比べました。そんな中、最初は快く対応してくれた店員さんも、「それじゃわたくし、時間ですのでお先に失礼致します♪」と先に帰ってしまいました。そこからも日本対ドイツの戦いは熱く火花を散らし、いったいメガネのメガミはどっちに微笑むのでしょうかァなどというダジャレを散りばめつつ「こっちの方が老けて見えるで」「そうかなぁこのデザインめっちゃ好きやけど」という按配。
延長戦でも決着がつかず、PK戦の末に日本が勝利を収め、レンズの度を合わせる作業へ入りました。

21世紀の技術進歩は凄まじく、コンピューターによる超厳密でワクワクする
ような測定が行われました。彼ら機械にはニュアンスが理解できないので“だいたい”という言葉は存在しません。極限まで0か1かをカツカツカツカツ測定します。結果。左目が乱視と判明、しかも通常はタテかヨコにずれるらしいのですが、ワタクシの場合珍しくナナメにずれるという、店員さん曰く「ああ、ウルトラマン何とかですね」という種類だそうで。両眼の視力UP+乱視対策の施されたスペシャルメェガネにする為にはまだまだ乗り越えなければならない壁がありました。メェガネを“いつ使うか”というテーマです。

車に乗るとき、PCをするとき、人の焦点は遠くにあったり近くにあったりしています。車に乗るときにかけるだけなら遠くで焦点が合うような、事務作業が多いのであれば手前に焦点があうようなレンズを…だそうです。「すみません、一度遠くが見えるようにしてもらえますか?」「了解です」カシャコンカシャコンとレンズの度をきつくしていくと、あんれまぁビックリ!!とんでもなく遠くの空を飛んでいるカナブンのオスメスを識別できるくらい見えます!“今、ウィリアム=テルかロボ=コップ!?”心で叫びつつ興奮しました。でも、手元を見ようとすると強烈な吐き気が眉間に押し寄せてもう、どうにもなりません。あと重要なのは
かけ心地です。耳にかける部分の締め付けが強かったり眼鏡が重たかったりすると眼鏡が嫌いになりますが、ワタクシの選んだ物はとにかく軽く締め付けが自然。まるでかけていないみたいなかけ心地!裸の王様みたいな眼鏡です。というわけで、こんな大変な作業の果てに出来上がったマイメェガネ。かけてみますと、世界が恐ろしくシャープにくっきり浮かび上がってきました。
スゲーッ!!地デジが始まる前に地デジが始まったといいますか、毎日がハイビジョン放送状態でテンション激上がります。それからというもの、眼鏡の人を町で見かけたら“ああぁ、あの人は大変な努力と店員さんとの信頼の架け橋を結んで抜群の視界を手に入れられたのだ…”と感じるようになりました。世の眼鏡屋はもっと頑張らないといけない気がします。詳しくは書きませんが、中にはとんでもない眼鏡屋もありました。店内に入ってもスタッフ同士で喋ってばっかりで、女性客が来ないと丁寧に対応しない。もはやそれは眼鏡屋ではなく、女性にのみ優しく男性には鬼のような態度をとる自動車教習所の教官の様です。

最近眼鏡をかけて視界は好調ですが、物事の良し悪しをしっかり見分けられるようになりたいと思う今日頃ごろです。それには、眼鏡の奥の心の部分を磨かねばならないということで。おあとがよろしいでしょうか。あ、はい。失礼します。

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